1)自閉症とはなにか アメリカの精神医学会による精神疾患の診断統計マニュアル(DSM-Ⅳ)によれば、「自閉症とは、 ① 対人相互関係の障害 ② 意思伝達の著しい異常またはその発達の障害 ③ 行動や興味の明らかな制約 ④ 発症年齢が3歳未満であること を、基本的な特徴と(深浦勇 2003,p.34)」している。
3)PTSDの症状 PTSDの症状として、①再体験、②回避・麻痺、③過剰覚醒、が主要三症状として挙げられる。以下に、それぞれの症状を説明する。 ① 再体験とは、思い出したくないのに思い出してしまう侵入的な思考・知覚などの記憶の想起であり、事件当時の場面だけでなく、感覚や痛みが蘇ることもある。フラッシュバックが起きることもあり、その時には「自分が誰で、ここが何処であるか」という見当識が失われることもある。 ② 回避とは、トラウマに関する思考・感情・会話を回避することをいう。しかし、「思い出さないようにしているにもかかわらず『思い出すと止まらなくなり、なにもできなくなる』(小西聖子・白井明美(2007):グリーフケア・トラウマケア. P135)」ことがあり、そのとき患者は侵入的想起と回避の間を揺れ動き苦しむことがある。麻痺とは、健忘や感情の範囲の縮小のことである。この健忘は記銘の障害ではなく、想起の障害であると考えられている。また感情の範囲の縮小とは、嬉しい・楽しいなどの陽性感情とともに、怒り・悲しみなどの陰性感情も生じにくくなることである。 ③ 過剰覚醒とは、自律神経系の失調状態であり、睡眠困難、易刺激性、集中困難、恐れやすくなる、などの精神状態をいう(交感神経系の緊張状態が記銘や想起に影響をあたえることが基礎的な心理学実験によって明らかにされている)。 また、トラウマティックな体験の後には“解離(非現実感、身体・感覚・感情の麻痺など)”もよくみられる。
4)PTSDのケア 人が病んだときには病が何であれ、必ず
栄養・身体・心理の三方向からその人の状態を
全体的に捉えるべきである。
PTSDに関しては心理的アプローチが不可欠
であるが、
意識レベルと無意識レベルへ2種類のアプローチ
が必要と考える。
意識レベルに対しては、カウンセリングで
トラウマとなった記憶や思考を整理する。
無意識レベルに対しては、記憶や思考が
肉体に直結し(心拍・血圧・自律神経系等への)
悪影響を与えている回路を遮断するため、
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)